Q.保険が適用できる一般不妊施術から、体外受精に移行する時期はおよそいつ頃になるのですか?また、体外受精は妊娠する確率が高まるというのですが、例えば人工授精を1年続けるのと、体外受精を1回行うのとではどちらが妊娠する確率が高いのですか?

保険が適応される一般不妊施術の目安期間は2年

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A.医療機関で行う一般的な不妊施術の流れを簡単に
表すと以下のようになります。

■ステップ1:6大不妊検査(1~2か月)
  ↓
■ステップ2:タイミング指導(6か月)
  ↓
■ステップ3:薬物療法(6か月)
  ↓
■ステップ4:人工授精(6か月~1年)
  ↓
■ステップ5:体外受精、顕微授精

この不妊施術の流れで保険が適応される一般不妊施術は、
ステップ1からステップ4までとなります。

このスケジュールを眺めてみると、およそ2年間は
一般不妊施術を行い、それで妊娠できなかった場合には
体外受精や顕微授精に進むスケジュールになります。

2年間妊娠できなかった場合、一般不妊施術を続けても妊娠は厳しい

2年間の一般不妊施術で妊娠できなかった場合、体外受精を
勧められますが、中には人工授精をもう少し続けることを
希望する患者さんもいます。

これまでの経験から2年間一般不妊施術を続けて
妊娠出来なかった場合、そのまま一般不妊施術を続けても
妊娠するのが相当厳しいと言われています。

患者さんが高齢の場合は、年を重ねるほど
妊娠する力が急速に衰えてしまうため、
時間が過ぎるほど妊娠にとって余計に不利になります。

これらを踏まえると、体外受精を検討する時期は、
不妊施術を開始して2年経過した時が一般的な見解と
なっています。

一般不妊施術を行うことなく、体外受精から始めた方が良い場合もある

一般不妊施術は、年齢、体の状態や生殖器官の機能、疾患の
状態を考慮して、「通常の不妊施術で妊娠できる力がある」と
診断された時に一般不妊施術が行われるようになります。

患者さんが「40代をすでに過ぎている」「生殖器官に致命的な
異常がある」「極度の男性不妊である」などの通常の不妊施術では
妊娠がほとんど望めない場合には、一般不妊施術を行わず、
体外受精をいきなり勧められることがあります。

最終的に体外受精を受けるかどうかは自己決定になります。

人工授精と体外受精の確率を比較

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人工授精は半年から1年行います。人工授精は2万円前後で出来ますが、体外受精は保険適応外なので、コストが非常にかかってしまいます。

そのため、できるだけ体外受精の前の人工授精で妊娠できることを望む患者さんがほとんどではないかと思います。

では、人工授精と体外受精ではどのくらい妊娠する確率
が違うのでしょうか。

ある調査によると、人工授精を半年繰り返した時と、体外受精1回の
妊娠の確率を比較したところ、ほぼ同じ妊娠の確率になったという
結果が出ています。

簡略すれば人工授精6回に対し、体外受精1回ということになります。

この数値はあくまで参考です。
人工授精では妊娠がほぼ難しいとされる体の状態でも、体外受精は
妊娠できる可能性を秘めています。

年齢や体の状況で体外受精の時期を決める

20代の比較的若い世代であれば、時間的にも余裕があるので 半年といわず、
1年は人工授精を行っても良いでしょう。

高齢出産、特に40代以降の年代の場合、妊娠する力が 急速に衰えていきます。
また、流産の確率も非常に高まります。 このようなケースは、人工授精を早めに
切り上げて体外受精を早めに行ったほうが良いでしょう。

体外受精と自然妊娠の流産の確率を比較すると・・・

体外受精の24歳から33歳までの流産の確率は大差なく、
14%以下となります。そして34歳を過ぎると、流産の確率が
上昇傾向になり、37歳では18%まで高まります。

さらに38歳から急上昇し、40歳で30%、43歳で43%、44歳以上で
60%以上となります。これに対し、自然妊娠の流産率は、どの年代も
体外受精より2~10%低い数値となっております。

体外受精は妊娠できない体の患者が受ける施術なので、自然妊娠と比較できない

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体外受精を受ける平均年齢は、37~40歳と言われています。

体外受精を受ける年代は、すでに高齢妊娠といわれる35歳を過ぎており、37~40歳の体外受精の平均の流産率はおよそ25%となっております。

体外受精を受ける方は自然妊娠が出来ず何らかの異常が
あるか、検査では異常がない方もいます。不妊施術
(タイミング指導~人工授精まで)を行っても妊娠に至ら
なかった方がステップアップをする段階です。

「体外受精は流産のリスクがある」というよりも
「ご本人の体」に原因があるかもしれません。

よって、一概に自然妊娠と比較して、体外受精は流産のリスクが高いとは
言い切れない面があります。