Q.体外受精の出産では、流産や早産、合併症、胎児の精神・身体障害、奇形などの確率は上がると聞きましたが、本当ですか?

奇形や障害のリスクが上がるという報告はない

A.体外受精において、出生児の精神や身体の障害、奇形のリスクが上がる可能性はないというのが医療機関における一般的な見解です。

体外受精のリスクの研究は日本だけでなく、西欧諸国でも常に行っており、リスクの調査を行った時期が、1980年代だったりすることもあります。

確かに、海外における一部の研究報告においては、心身へのリスクは自然妊娠よりも高くなると発表を行った報告もありましたが、厳密な調査に基づく報告でないものもあります。

大半の調査・報告では、未熟児や奇形のリスクは自然妊娠
と変わらないというのが通説になっています。

流産や早産の確率について

一方、体外受精における流産や早産の確率が上がるという
ことについてはどうでしょうか。

自然妊娠における流産率は、全年代を平均すると15%
と言われます。これに対し、
体外受精は調査機関による
統計に若干の異なりがあるものの20~25%です。

自然妊娠と体外受精の流産率(全年代)

項目 流産率
自然妊娠 15%
体外受精 20~25%

このデータだけを見ると、やはり体外受精は自然妊娠よりも
流産率が高いということになりますが、「自然妊娠と
体外受精の流産率は、妊娠の条件が異なるため、安易に
比較できない」と言われています。

そこで、参考になるのが米国政府機関による体外受精の
流産の確率を表した資料になります。日本の平均的な
流産率を合わせた表を見比べてみましょう。

体外受精の年齢別における流産率(米国政府機関)

項目 流産率
24歳以下 13%
25~29歳 12.5%
30~34歳 13.5%
35~37歳 17%
38~40歳   25%
41~43歳 42%
44歳 65%

自然妊娠における流産率(日本の平均的な数値)

項目 流産率
25歳 10%
30歳 10%
35歳 25%
40歳 40%
45歳  50%

体外受精と自然妊娠の流産の確率を比較すると・・・

体外受精の24歳から33歳までの流産の確率は大差なく、
14%以下となります。そして34歳を過ぎると、流産の確率が
上昇傾向になり、37歳では18%まで高まります。

さらに38歳から急上昇し、40歳で30%、43歳で43%、44歳以上で
60%以上となります。これに対し、自然妊娠の流産率は、どの年代も
体外受精より2~10%低い数値となっております。

体外受精は妊娠できない体の患者が受ける施術なので、自然妊娠と比較できない

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体外受精を受ける平均年齢は、37~40歳と言われています。

体外受精を受ける年代は、すでに高齢妊娠といわれる35歳を過ぎており、37~40歳の体外受精の平均の流産率はおよそ25%となっております。

体外受精を受ける方は自然妊娠が出来ず何らかの異常が
あるか、検査では異常がない方もいます。不妊施術
(タイミング指導~人工授精まで)を行っても妊娠に至ら
なかった方がステップアップをする段階です。

「体外受精は流産のリスクがある」というよりも
「ご本人の体」に原因があるかもしれません。

よって、一概に自然妊娠と比較して、体外受精は流産のリスクが高いとは
言い切れない面があります。