体外受精についてのQ&Aコーナー

Q.体外受精を受けなければならない理由は様々あると思います。医療機関の先生は、どのような症状の患者さんに対して体外受精を受けるように勧めるのでしょうか?またどのような原因が最も多いのでしょうか。ランク順で教えてくれると助かります。

当初、体外受精は卵管障害の患者さんのみ実施されていた

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A.体外受精が初めて成功したのは1970年代になります。当初、体外受精は、卵管障害(卵管性不妊)の施術法として確立され、施術の対象者はとても限定的なものでした。

卵管障害を簡単に説明すると、「卵管が詰まっている状態」つまり、受精卵が通りにくい体の状態のことを言います。

卵管障害は、不妊の原因の一つと言われています。
当時は妊娠不可能とされていた卵管障害を持つ患者さんにも
妊娠を可能にするために研究開発されていたのが体外受精だったのです。

体外受精の確立により卵管障害で妊娠できなかったカップルも
妊娠できるようになったことで大きな話題にもなりました。

体外受精を受ける原因について

年月の経過に伴い体外受精は、卵管障害の患者さん以外にも
広がり、現在では、あらゆる難治性の不妊に対して行われるように
なりました。

現時点における、体外受精を受ける主な要因として、以下のものがあります。

【体外受精を受ける主な原因】
■排卵障害(卵管性不妊)
■子宮内膜症
■卵巣予備能の低下
■子宮性不妊
■男性要因(男性不妊)
■原因不明
■男性要因と女性要因の複合

上記のように、体外受精を受ける原因は、女性だけにある
わけではなく、男性に原因があることもあります。

内訳別で見た体外受精患者の割合

日本で体外受精を行っている医療機関のデータをまとめたものは
残念ながら見当たりませんでした。

不妊の原因をどのように分類するかについては、各医療機関の
方針によって異なることがあり、確実な統計は現時点でつかめて
いないのではないかと思います。

米国政府機関において、過去に発表した報告があります。

この報告書には、体外受精患者の要因(原因)別に分けた
比率が書かれていましたので、以下に参考までに紹介します。

不妊原因別にみた体外受精患者の内訳(%)

原因 割合
男性因子(男性不妊) 18.8
複数の男性および女性因子 18.5
卵管因子 13.6
複数の女性因子 12.7
原因不明 11.1
子宮内膜症 6.7
排卵障害 6.0
卵巣予備能低下  5.7
その他  5.6

上記を見ますと、「男性因子」「複数の男性および女性因子」が
第一位と2位を占めており、いかに男性因子の割合が大きいかが伺えます。

不妊の原因は、女性の側だけにあると思われがちですが、
男性の側に原因があることも多いのです。

近年では、卵管障害以外の患者にも幅広く対応

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先ほど紹介した統計は、2003年のデータです。

当初、卵管障害のみに行われていた体外受精ですが、
卵管障害以外の女性の疾患にも対応でき、さらに男性
不妊から原因不明の症状にも対応できるようになった
のは、先ほど説明したとおりです。

このように現代では、体外受精はあらゆる不妊の原因に対応できるように
なり、今後、さらにその傾向性はより高まるものと見られています。