体外受精についてのQ&Aコーナー

Q.胚移植の数を増やすほど、出産に到る確率は上がりますか?

A.胚移植数と出産の確率については、2002年、米国政府機関で行われた
調査結果が参考になります。

     

【胚移植数と生産分娩率の関係(%)】

個数 割合(%)
1個 12.8
2個 39.5
3個 37.7
4個 32.8
5個以上  28.9

上記の表を見ますと、胚移植数2個の場合、生産分娩率が
39.5%と最も高くなっており、3個の場合も37.7%
と高い数値を示しています。

banner

そして、胚移植数が4個、5個と増えるにつれ、数値が低くなっております。

これを踏まえると、胚移植の数が多ければ生産分娩率が高まるわけではなく、2個、3個をピークに下がっていく傾向にあります。

ただ、胚移植数1個の場合は、12%と他の移植数よりもずっと低いため、妊娠を希望する女性にとっては、2個または、
3個を希望することが多いと聞きます。

ただし、複数個の胚移植を行ったときには双子、または三つ子
以上ができる可能性が高まります。

それを表したのが下の表になります。

【胚移植数と生産分娩率の関係(%)】

個数 単体妊娠 双子妊娠  三つ子以上 
1個 98  2  0
2個 66.7 32.6   0.7
3個 61.7 32.6  5.7 
4個 62.3 32.1  5.6 
5個以上 63.2 31.3  5.6 
■胚移植数が1個の場合、単体妊娠98%だが、双子が2%であった。

■胚移植数は2個の場合、双子妊娠が32.6%を占めた。なお三つ子も0.7%であった。

■胚移植が4個以上の場合、双子妊娠が30%前半、三つ子以上は5%台となった。

多胎妊娠は、母子ともに様々なリスクを伴うことになります。
特に、三つ子となるとさらにリスクが大きくなります。

平成7年の日本産科婦人科学会の報告を引用すると、
胎児数が増えるに従い、出生体重が減少する傾向にあります。

banner

【出生体重の比較】
双胎:2,153±703g、
三胎:1,673±485g、
四胎:1,203±359g、
五胎:993±249g(平均±標準偏差)

また流産する確率も胎児数が増えるに従い、高くなっております。

【流産の比較】
双胎:1.7%
三胎:2.4%
四胎:15.0%
五胎:15.0%

このように、多胎妊娠にはリスクを生じるため、胎児の数を減らす
「減胎手術」を行う方もいます。

胚移植1個でも双子が生まれることがある

また、胚移植1個の場合は、妊娠は一人のみと思われがちですが、
必ずしもそうとは限りません。

上記の表を見てもおわかりのとおり、胚移植1個の場合、100人に
2人が双子の妊娠となっております。

胚移植2個でも3つ子以上の妊娠が0.7%、つまり、100人に
一人が三つ子を生む計算になります。

このように移植した胚の数が、妊娠する最大数と
一致するわけではないのです。

胚の数が多くなるほど、高次多胎妊娠の確率が上がる

なお、双子以上の妊娠を専門用語でいえば高次多胎妊娠と呼びます。

胚移植の数が増えても生産分娩率は上がらないものの、双子あるいは
3つ子以上の高次多胎妊娠の確率が高まることも注目すべきことと思います。