体外受精についてのQ&Aコーナー

体外受精では、通常、いくつの胚を移植することになりますか?

A.始めに2002年、米国政府機関によって発表された体外受精の
胚移植の数を紹介すると、次のようになります。

     

【体外受精における胚移植数の割合(%)】

個数 割合(%)
3個 33.6
2個 31.6
4個 18.0
1個 6.7
5個 6.5
6個 2.4
7個以上  1.2

上記の米国政府機関によれば、「胚移植数3個」が最も多く、
その次に「胚移植数2個」が第一位の「胚移植数3個」に逼迫し、
さらに「胚移植数4個以上」の割合を合計すると30%近くとなっています。

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上記の結果は、海外における統計データになります。

日本においては、日本産婦人科学会のガイドラインで、
「肺移植の数は最大3個まで」と規定しております。

そのため、米国政府機関の統計が日本でそのまま当てはまることには
ならないのです。

さらに、日本では体外受精を行っているすべての医療機関の
統計調査を行っていないため、正確な割合を完全に把握しきれて
いません。

先ほど紹介した日本産婦人科学会で、2007年に
胚移植数についてのガイドラインを発表されています。

そのガイドラインを簡単に説明すると次のとおりです。

【日本産婦人科学会における肺移植数のガイドライン】
■移植数は原則3個以内とする

■多胎妊娠のリスクが高い35歳未満の初回施術周期は、移植胚数を1個に制限する。良好胚盤胞を移植する場合は、必ず1胚移植とする。

■上記に含まれない40歳未満の施術周期では、移植胚数を原則として2個以下とする。良好胚盤胞を移植する場合は、必ず2個以下とする。

上記のガイドラインを見る限り、初めて体外受精を行う
35歳未満の患者さんのケースは、胚移植数一個となります。

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これは、胚を2個移植すると、多胎妊娠、つまり双子の可能性が出てくる可能性があり、一つと定めていると推測されます。

そして、35歳以上40歳未満の患者さんでは2個までの胚移植が可能です。しかし、35歳以上は高齢出産の年代に入っています。

そのため、胚を2個まで移植できるとしても、流産などの
リスクを避けるために胚移植数1個を勧める先生も多いとも聞きます。

先生は一つを勧めるだけで、最終的には医師と相談しながら
ご本人が決めることになります。

40歳を超えると体外受精での妊娠する確率が
下がってしまいます。

高齢の場合には、体外受精を繰り返す体力や費用のリスクなどを考慮して、
初めての体外受精でない限りは、二つの胚移植を選択する道もあります。

アメリカで4個以上の胚移植を行う理由とは

日本における胚移植数のガイドラインは最大3個までということを
説明しましたが、上記のアメリカでの実績は4個以上が全体の約30%
を占めています。

これは何も科学的な根拠なしで行っているわけではないと思います。

例えば、かなりの高齢で、体外受精を行っても極めて妊娠する確率の
低い場合や、両方の夫婦に致命的な疾患があり、妊娠がとても厳しい
場合は、あえて4個以上の胚を移植しているのではないかと思います。

4個以上が正しいか、3個までに抑えるのが正しいかについては
一概に較べられない面があります。

極めて妊娠が困難な場合には、できるだけ胚の数を増やしたほうが
よいという考えもありますが、三つ子以上が生まれたときに、体重の
少ない赤ちゃんが生まれるリスクが生じ、さらに母子ともに体に負担がかかります。

体に大きなリスクを伴う4個以上の胚移植は、日本医療としては
避けたほうがよいと考え、3個までと規定したのではないかと思います。