東洋医療と西洋医療の不妊

東洋と西洋の不妊治療の考え方について

ある患者さんから、以前に通っていた産婦人科の先生から
「漢方や鍼灸もいいけど、ほとんど気休めにしかならないよ」
とアドバイスされたことを聞いたことがあります。

確かに産科学会などでは鍼灸や漢方を西洋医療と並行して勧めることはあまりないように思います。

しかし、きちんと医学的な証明やデータ(鍼灸は気休め)があり言っているかが大切になります。西洋医療は確実に妊娠させてくれるか聞いてみて下さい。

結論から言えば、鍼灸が不妊に効果があることは、世界の医療的権威である世界保健機関(WHO)で公式に認められております

また、鍼灸と不妊の関係について、世界各国で研究が行われ、多くの研究において鍼灸を行った方と行わない方では、妊娠の成功確率が高まる結果が出ています。

鍼灸で必ず妊娠できるというわけではありません。
鍼灸を行っても、妊娠できなかった方もいます。

妊娠できなかった方からすれば、漢方や鍼灸は効き目がないということになります。
(当院は、6ヵ月以上通った患者さんの妊娠に至った確率は60%となっています)

東洋と西洋の良い面を採用した不妊治療

しかし、不妊の最新治療法である体外受精においても成功確率の高い病院でさえ、成功確率は約40%にすぎません。鍼灸師の立場からすれば、西洋医学にも良い面があり、東洋医学にも良い面があります。

一番大事なのは、西洋医学、東洋医学のどちらが正しいかという議論をするのではなく、患者さんの希望を叶える治療を行うことが大事になります。

東洋医学、西洋医学問わず、それぞれに良い点があれば採用し、患者さんの希望を叶えることは先生の使命でもあると考えています。

当院においても、西洋医学の発明である基礎体温表を活用して、治療時のアドバイスを現実的に行っています。

参考:西洋医学の基礎体温表を活用した不妊治療(イメージ像)
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)

鍼灸治療は完全に東洋医学分野とは限らない?

日本では西洋医学が主流で、東洋医学はどちらかと言えば日陰的、裏側的な存在に位置しています。

鍼灸治療って・・・痛い、熱いのイメージが先行して中々来院しにくいことかと思われますが、実際はイメージ程ではありませんのでご心配いりません。

当院では、髪の毛程の細さの鍼を1~3ミリ皮膚に入れるだけなので痛みはあまり感じません。痛い鍼ならば女性はこれ程通院していないかと思います。

歴史的な背景をたどれば、西洋医学の歴史はごく最近で、東洋医学の方がはるかに長い歴史を有しているのです。

すべての鍼灸治療が完全に東洋医学の分野であるかといえばそうではありません。

鍼灸の治療方式には、実は西洋医学的な理論に沿って行う治療と東洋医学的な理論に沿って行う二つの治療法が存在しているのです。

つまり、西洋医学の医師が使うような検査方法で患者さんを診察する鍼灸と、東洋医学独自の診察方法である四診(望診,聞診,問診,切診)により、患者さんの治療方法を決めていく二つのやり方が存在しているのです。

こういった背景から、鍼灸治療においても、西洋医学のよ良い部分を取り入れていくという治療が増え始めているのです。

初回限定料金~不妊専門のすずらん鍼灸院

執筆者

すずらん鍼灸院 院長プロフィール

すずらん鍼灸院 院長プロフィール

大島宏明 すずらん鍼灸院 院長

■経歴
昭和43年:東京都足立区生まれ
平成13年:日本鍼灸理療専門学校卒業
平成14年~16年:富山県の鍼灸院でインターン研修
平成16年:すずらん鍼灸院開業

■免許

はり師免許番号:119623
きゅう師免許番号:119533
不妊カウンセラー

■所属団体

奇経医学研究会スタッフ
経絡治療学会会員
日本不妊カウンセリング学会会員

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