卵の質を高める

不妊の大きな要因 - 卵質の劣化について

西洋医学における不妊の主な原因は、子宮や卵巣の疾患、男性側の疾患による男性不妊とされていますが、近年、新たな原因として、卵の質(卵質)が注目されるようになりました。

卵子は精子と同じように新しい卵子が常につくられるわけではありません。

女性は生まれたときから100~200万個の卵子(原子卵胞とも呼ばれる)が存在しており歳を重ねるたびに卵子を少しずつ失っていきます。そして、50歳前後で原子卵胞を使い切ってしまい、閉経となります。

また、生理時に排卵される卵子は、生まれたときから卵巣に保管されていた原子卵胞が使われているようなものです。

つまり卵巣は保管庫のような役割を果たしております。

この卵子は、年齢が経つたびに劣化していき、さらに保管庫の役割を果たす卵巣機能も年と共に低下していきます。
その卵巣機能の劣化の影響により、さらに卵の質を落としてしまいます。

卵子の成熟期間と不妊について

このような背景から、卵の質は妊娠力に大きな影響を与えることとして注目されるようになったのです。

しかし、西洋医学においては、劣化した卵質を改善することは困難とされています。

当院では、卵質に与えるもう一つの大きな要因があると考えています。

卵胞は、毎月1個ずつ発育するということではありません。

卵胞は毎月1000個程生理と関係なく育ち、3ヵ月の期間で成熟します。

その多くの成熟した卵胞から一つだけが選ばれて次の生理で排卵されるようになっており、残りの成熟した卵胞は消滅していきます。

この3ヵ月間の卵胞が成熟する期間が、質のよい卵子を作るための重要な期間と考えています。

不妊体質の改善に6ヵ月が必要な理由

東洋医学的には「卵子」という概念はなく、身体の様々な不調の原因を体のバランス、つまり「気や血の流れの乱れ」と考えております。

気や血の巡りが悪いと当然3~6か月の間に育つ卵胞にも大きな悪影響を与えることになります。

不妊体質の改善に数か月かかると言われるのは、「卵胞が成熟する期間と生理周期を加えた期間」を示しているとも言われています。

準備期間も含め、最低6ヵ月間、鍼灸をお勧めしている理由がここにあります。

鍼灸においても、卵巣に存在する原子卵胞そのものを若返らせることは困難ですが、鍼灸により卵巣の免疫力が向上し、ストレスや食生活などで弱った卵巣機能を正常な状態に戻すことは十分可能です。鍼灸治療+生活スタイルの改善が必要になります。

保管庫としての機能が高まれば原子卵胞の劣化の進行も抑えることができます。

このように東洋医学と西洋医学では治療の概念がまったく異なっております。

西洋医学で長い間妊娠できない方は、一度鍼灸で体質改善をされることをお勧めします。

卵質は高められる!? すずらんコラム

卵質は、年齢を重ねるたびに劣化していくことを解説しました。

時々、卵質を高めるサプリの話を耳にしますが、専門家の意見からすると卵質をサプリで高めるのはやはり無理と言えるでしょう。

この話はまったくの嘘かと言えば、すべてがでたらめというわけでもなさそうです。これは、誰もが一度は聞いたことのある活性酸素と関係があります。

活性酸素とはわかりやすく言えば、身体を錆らせる作用があります。
体内に活性酸素が多ければ、それだけ卵質の劣化が進むということは、決して間違っていないことと思います。

そこで活性酸素を除去する作用のある栄養素を摂取することで卵質の劣化の進行を抑えるという考えが出てくるのです。

つまり、卵質を高めるサプリとは、正確にいえば、卵質を高める」というよりも、「卵質の劣化を防止する」という表現が正しいことになります。

このように、サプリがまったく効果がないというわけではありません。

初回限定料金~不妊専門のすずらん鍼灸院

執筆者

すずらん鍼灸院 院長プロフィール

すずらん鍼灸院 院長プロフィール

大島宏明 すずらん鍼灸院 院長

■経歴
昭和43年:東京都足立区生まれ
平成13年:日本鍼灸理療専門学校卒業
平成14年~16年:富山県の鍼灸院でインターン研修
平成16年:すずらん鍼灸院開業

■免許

はり師免許番号:119623
きゅう師免許番号:119533
不妊カウンセラー

■所属団体

奇経医学研究会スタッフ
経絡治療学会会員
日本不妊カウンセリング学会会員

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